認知機能リハビリテーション

2010年4月にイタリアで開催されたCognitive Remediation Experts Workshopによれば統合失調症に対するCognitive Remediation Therapy(認知機能リハビリテーション)とは「長続きし,般化することをゴールに見すえた,認知過程(注意,記憶,遂行機能,社会的認知,メタ認知)の改善を目的とする介入にもとづいた行動的トレーニング」と定義されています5)。具体的にはドリルやコンピュータソフトを使って、注意力や記憶力、物事に取り組むスピード、計画を立ててそれを実行する力などを直接的/間接的に改善することを目指すトレーニングを指します。

昨今「認知」と名前のつく支援技法が多く紹介されており、これらが混同されている場合が見られますが、認知機能リハビリテーションは神経認知機能(「適時適切に事物に注意をむけられるか」、「必要な状況下で事物を必要な時間だけ覚えておくことができるか」、「目的に向かって段取りを考え、その通りに行動できるか」といった基礎的な脳の力)の向上や補完を目的としています。

 

【参考文献】

5)Wykes T, Huddy V, Cellard C et al.: A meta-analysis of cognitive remediation for schizophrenia: methodology and effect sizes. Am J Psychiatry, 168, 472-85, 2011.

→VCAT-Jとは   →援助付き雇用/IPSモデル